ヘルプ - 取扱説明書

LabOrder - 歯科技工指示書管理

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最終更新日: 2026年5月14日

1. はじめに

LabOrder は、歯科医院と歯科技工所間における技工指示書の作成・送信・管理を効率化するための業務支援アプリです。

技工指示書の作成から PDF 出力、暗号化 ZIP による安全な送信、履歴管理までを一貫して行うことができます。クラウドに依存しないローカル中心設計により、医療現場のセキュリティ要件に配慮しています。

macOS と iPad の役割分担

本アプリは macOS でも iPad でも単体で使用できます。macOS と iPad を組み合わせることで、受付での管理業務と診療室での入力をシームレスに連携でき、実地運用で真価を発揮します。

macOS と iPad を組み合わせて使用する場合、LAN 同期により同一ネットワーク内の端末間でデータを相互にミラーリングできます(クラウド経由ではなく、データは常に各端末のローカルに保持されます)。同期ハブ役・参加役のどちらの設定もどの端末でも可能です。

運用パターン

単体運用(iPad のみ / macOS のみ)

macOS のみ、または iPad のみでも、指示書の作成から PDF 生成・送信まで完結できます。LAN 同期は使用しません(マスタ設定 > LAN 同期 はオフのままで構いません)。

単体運用時の重要な注意点
  • バックアップは「アプリ内」と「外部ストレージ」の二段構えが必須です。アプリを削除すると、アプリ内バックアップを含む全データが消失します(リカバリ手段がなくなります)。
  • 歯科技工指示書は法令上 5 年間の保管義務があるため、外部ストレージへのエクスポートを定期的に実施してください(マスタ設定 > バックアップ)。
  • iOS のソフトウェアアップデート前には、必ず手動バックアップ + 外部エクスポートを実施することを強く推奨します。
  • iPad のストレージ空き容量に注意してください。写真・STL・PDF が累積するとアプリのデータが大きくなります。古い指示書を整理するか、外部エクスポート後にアプリを再インストールしてリフレッシュする運用も選択肢です(ただし再インストール前に必ず外部エクスポート)。
  • iCloud バックアップに本アプリのデータを含めるかは、各医院の個人情報保護方針に基づき判断してください。患者データがクラウドに送信されることになります。除外する場合は iOS の 設定 > Apple ID > iCloud > iCloud バックアップ > このiPhone/iPad のバックアップ から「LabOrder」をオフにします。

組み合わせ運用(推奨)

  1. macOS でクリニック設定・技工所・担当医・ドロップダウン項目を登録します
  2. LAN 同期により両端末のローカルデータベースが相互にミラーリングされます
  3. 診療室の iPad で技工指示書を作成・Apple Pencil で描画します
  4. 保存と同時に、両端末のローカルデータベースが相互にミラーリングされます
  5. macOS で PDF を確認し、暗号化 ZIP を技工所にメール送信します

単体運用から複数台運用へ移行する場合

既存の iPad / macOS をそのまま同期ハブに設定し、新しく追加した端末を同期参加に設定します。参加側で「ハブから全取得(フル同期)」を 1 回実行することで、既存データのコピーが転送されます。

2. 画面構成

ダッシュボード

アプリ起動時のホーム画面です。

画面右上の同期アイコン(LAN 同期利用時)

ダッシュボードを含む主要 5 画面(ダッシュボード・納期管理・マスタ設定・技工指示書一覧・保管管理)の右上には、LAN 同期の状態を示すアイコンが表示されます。アイコンは状態に応じて色とバッジで変化します(青=未送信あり / 緑=接続中 / オレンジ=エラー / 灰=未接続 等)。

通常運用では本アイコンのタップ操作だけで送信業務が完結します。LAN 同期画面(詳細)はトラブル時の参考情報として用意されています。

技工指示書一覧

全ての技工指示書を一覧表示します。

納期管理

ガントチャート形式で納期を視覚的に管理します。

保管管理

保管管理対象の指示書を一覧管理します。

マスタ設定

アプリの各種設定を管理する画面です。クリニック設定・技工所マスタ・担当医マスタ・ドロップダウン項目・バックアップ・LAN 同期・ビルド情報・ヘルプにアクセスできます。

3. 技工指示書の作成・編集

「+」ボタンまたはダッシュボードの「新規作成」から技工指示書を作成します。既存の指示書は一覧からタップして編集できます。

基本情報

納期・技工区分

製作物情報

Br(ブリッジ)情報

義歯情報

インプラント情報

使用金属・保険区分

シェード

特記事項

技工所への特記事項を自由入力できます。

受渡方法

管理情報

保存

4. 描画機能(PencilKit)

iPad では Apple Pencil、macOS ではトラックパッドやマウスで描画できます。

描画エリア

ペン設定

描画データの同期

描画データは LAN 同期により macOS ↔ iPad 間で自動的に同期されます。保存時に描画データが即座に相手側に伝播します。

5. PDF プレビューと出力

技工指示書の詳細画面で PDF プレビューが表示されます。

6. 送信(暗号化 ZIP・メール送信)

技工指示書を暗号化 ZIP ファイルとして安全に送信できます。

メール作成には Apple 純正のメール(Mail.app)を使用します。macOS では Mail.app がデフォルトメーラーとして設定されている必要があります。iPad では Mail.app のメールアカウント設定が必要です。

送信手順

  1. 指示書詳細画面で「送信」ボタンをタップします
  2. 送信先情報と内容を確認します
  3. 「パスワード付きZIPを生成」ボタンで暗号化 ZIP を生成します
  4. パスワード・ヒント・メールタグが自動生成されます
  5. 「データメールを作成」で ZIP ファイルをメール添付して送信します
  6. 「パスワードメールを作成」でパスワードを別のメールで送信します(二段階送信)
  7. 両方のメール送信後、「送信済としてマーク」をタップします

大容量添付の自動分割送信

STL データや多数の写真など、添付ファイルの合計サイズがサイズ上限(初期値 15MB)を超える場合、自動的に複数通に分割して送信します。

受信側(技工所)の展開手順: 各パートの ZIP ファイルを、対応するパスワードで個別に展開します。全パートに同じ PDF が含まれているため、添付ファイルだけ集めれば全データが揃います。

サイズ上限はクリニック設定 > 運用設定 > 添付ファイルサイズ上限で変更できます。

セキュリティ

7. 添付ファイル

技工指示書に写真やファイルを添付できます(編集モードのみ)。

添付ファイルの合計サイズに上限はありません。サイズ上限(初期値 15MB)を超える場合、送信時に自動的に複数通に分割されます。

8. ステータス管理

技工指示書は以下の 7 段階のステータスで管理されます。

受発注ライフサイクル(主フロー)

下書き → 発行済 → 送信済 → 受領確認 → 納品

保管管理ライフサイクル

納品後に「保管管理」対象とした指示書は、納品後も次のステータスで継続管理されます。

納品 → 保管期限切れ → 処分済
「保管期限切れ」「処分済」のステータスは、技工指示書一覧の「期限切れ」「処分済」セグメントから絞り込み表示できます。

9. 技工所マスタ管理

マスタ設定 > 技工所マスタ で外注先の技工所を管理します。

10. 担当医マスタ管理

マスタ設定 > 担当医マスタ で担当医を管理します。

11. クリニック設定

マスタ設定 > クリニック設定 で医院情報とアプリの動作を設定します。設定画面は「基本情報」「運用設定」「メールテンプレート」の 3 つのタブに分かれています。

基本情報タブ

運用設定タブ

保管理由ごとの個別期間はドロップダウン項目 > 保管理由で設定します。個別設定がある場合はそちらが優先されます。

メールテンプレートタブ

技工所への送信メールの件名・本文・署名をカスタマイズできます。プレースホルダーを使って動的な内容を挿入できます。

使用可能なプレースホルダー: {lab}(技工所名)、{no}(指示書番号)、{product}(製作物)、{tag}(メールタグ)、{password}(パスワード ※パスワードメールのみ)、{signature}(署名)

セキュリティ方針: 患者氏名はメール本文に含めません。問い合わせは指示書番号とメールタグで特定できます。

13. LAN 同期(詳細/トラブル時の参考)

マスタ設定 > LAN 同期 で macOS と iPad 間のデータ同期を設定します。同一 Wi-Fi ネットワーク内にある端末を Bonjour で自動検出し、すべてのデータを双方向に同期します。

通常運用では本画面を開く必要はありません。ダッシュボード右上の同期アイコンをタップで送信、長押しで本画面(詳細)が開きます。本画面の各機能は、運用上の問題が発生した場合のトラブルシューティング用です。

役割

LAN 同期は端末同士の対等な相互ミラーリングです。各端末がそれぞれ自分のローカルデータベースを保持し、LAN 経由で内容を同期します。中央サーバーやクラウドは介在しません。

同期セッションを確立するために、便宜上どちらかの端末を「同期ハブ」、もう一方を「同期参加」として設定します。これは接続を確立するための役割分担で、データの所有関係を表すものではありません。

設定例: 常時起動している端末を「同期ハブ」に、持ち運ぶ端末を「同期参加」に設定すると接続が安定します。どちらの端末を選んでも機能上の差はありません。単独運用の場合は LAN 同期をオフのままにします。

同期ステータス

接続中のピア端末・現在の同期状態(待機中・デバイス検索中・接続中・同期中・同期完了・エラー)が表示されます。ステータスはダッシュボードの同期アイコンの色・形にも反映されます。

同期されるデータ

同期タイミング

送信キュー

Wi-Fi 切断中や同期一時停止中に保存した変更は、自動的に保留キューに蓄積され、再接続時にまとめて送信されます。

上級者向けトラブルシューティング

以下のボタンは通常運用では使用しません。マスタの重複表示など特殊な不具合が発生した場合に限り、診断・修復目的で使用します。

⚠️ 重複マスタを掃除(ローカルのみ)

通常使用不要。マスタ(技工所・担当医・ドロップダウン項目)に重複表示が観察された場合に、自端末のみを掃除します。通信を伴わないため LAN 状態に依存せず実行できます。ハブ・参加どちらでも使えます。

⚠️ ハブ側の重複を掃除(危険)

通常使用不要。同期ハブ側にしか重複がない場合のみ、ハブロール時に表示されます。ハブ上の重複を tombstone 化し全参加端末に伝播するため影響範囲が大きく、押下時には確認アラートが表示されます。原則としてサポート指示時のみ使用します。

⚠️ マスタ診断ダンプ

通常使用不要。サポート時の診断情報収集用です。全マスタの値を生バイト・正規化形・空白除去形の 3 形式で診断ログに書き出します(読み取り専用、データは変更しません)。診断ログのコピー機能と併用します。

診断ログ

同期画面下部の「診断ログ」セクションで、同期の状態やエラーを確認できます。問題発生時のトラブルシューティングや、サポート問い合わせ時の情報収集に使用します。

14. バックアップと復元

マスタ設定 > バックアップ でデータのバックアップと復元を管理します。

自動バックアップ

復元

注意: 復元を行うと現在のデータは上書きされます。復元前に現在のデータをバックアップすることをおすすめします。

重要: バックアップの外部エクスポート

アプリ内のバックアップはアプリ削除時に全て消去されます。歯科技工指示書は法令上 5 年間の保管義務があります。定期的に外部ストレージにエクスポートしてください。

推奨エクスポート先

個人情報保護に関する注意

バックアップには患者の個人情報が含まれます。院内で物理的に管理できるストレージ(USB ドライブ・NAS 等)への保管を推奨します。クラウドストレージを使用する場合は、データの保管場所やアクセス権限について医院の管理方針に基づいてご判断ください。

単体運用時の運用(特に重要)

iPad のみ・macOS のみで運用している場合、その 1 台がデータの唯一の保管場所です。LAN 同期によるレプリカが存在しないため、外部エクスポートの徹底がさらに重要になります。

LAN 同期利用時の運用

15. 再製作機能

技工物の再製作が必要な場合、元の指示書に紐づけて再製作指示書を作成できます。

16. トラブルシューティング

同期アイコンを使ったクイック対応

ダッシュボード等の右上の同期アイコンは、状態確認と簡易操作に使えます。

LAN 同期が接続されない

描画が同期されない

iPad の描画が macOS の編集画面で表示されない

iPad(PencilKit)と macOS(独自描画エンジン)は描画形式が異なるため、iPad で作成した描画は macOS の編集画面では表示されません。ただし、PDF プレビュー(詳細画面)では正しく表示されます。

PDF に描画が表示されない

メール送信ができない

アプリのバージョン確認

マスタ設定 > ビルド情報 でバージョン番号、ビルド日時、Bundle ID を確認できます。

17. 免責事項

本アプリは診断、治療、または医療行為を目的としたものではありません。歯科医療における情報伝達および記録管理を補助するためのツールです。

本アプリは関連法令への適合を支援することを目的として設計されていますが、各医療機関の運用方法や地域の指導方針により取り扱いが異なる場合があります。最終的な運用および法令適合性の判断は、各医療機関の責任において行ってください。

お問い合わせ

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